ステップの解説
<ステップ1>
われわれは薬物依存者に対して無力であり、一緒に生活していくことがどうにもならなくなったことを認めた。
回復の最初のステップで薬物依存者に対して無力であることを認め、共依存的な薬物依存者との係わり方の真相を受け入れるようになる。それは、すなわち薬物依存者との係わり方を完全にやめなければ阻止できない進行性の病気であるということである。薬物依存者の生き方をコントロールすることに対して無力だったことを認める。それを認めることによってメンバーは起こっている問題を処理する精神的な強さを得て責任をとることが出来る。このステップは新しくメンバーになったものにとっては言うまでもなく、かなりの期間、薬物依存者との共依存関係を止めているメンバーにとっても、これをしっかりと受け入れることで再び依存関係を繰り返すことのないように、薬物依存者に係わっていたときの自分はどうだったのかを振り返る意味でも重要である。
<ステップ2>
われわれは自分より偉大な力が、われわれを正気に戻してくれると信じるようになった。
共依存という病気を受け入れると、メンバーは一人ではまともな考え方や生き方をするには無力であることを理解するようになる。よって自分より偉大な力の助けが必要になってくる。それはハイヤーパワーと呼ばれるものである。ハイヤーパワーは自分が理解している神でもいいし、仲間やグループからの心理的、あるいは感情的な支えでも良い。
<ステップ3>
われわれの意思と生命の方向を変え、自分で理解している神、ハイヤーパワーの配慮にゆだねる決心をした。
メンバーが自分の生活をハイヤーパワーの配慮にゆだねると、薬物依存者を「私の力でなんとかしなければ!」という重圧から解放される。自己の限界から解放され、より偉大な力に自分を任せるという積極的な決心が回復へと向かわせる。
<ステップ4>
探し求め、恐れることなく、生きてきたことの棚卸し表を作った。
もっと意味のある生活を送るため、共依存者は完全で積極的な自己評価をしなければならない。自分の欠点を受け入れることは、それらを改める必要条件である。完全な棚卸しをするために、メンバーは自分の性格のあらゆる面を(悪いと思われる面だけでなく良いと思われる面も)徹底的に調べなければならない。またこの生き方の棚卸しとともに、財政上の棚卸し、つまり、薬物依存者にしてきた援助のすべてを明らかにすることも重要である。
<ステップ5>
神に対し、自分自身に対し、もう一人の人間に対し、自分の誤りの正確な本質を認めた。
メンバーは自分自身だけでなく、他の人間に対して正直にならなければならない。他の人間に自分の欠点を表すことは、他のどの方法によっても得られない客観性と将来の見通しを手に入れることが出来る。自分自身がしてきたことを認めることは、大きな安心感をもたらす。自分ひとりの中にこれらの棚卸しの事実をしまっておくことは、背負いきれない重荷となって肩にのしかかる。他の人と分かち合うことで重圧と不安から解放されるのである。
<ステップ6>
これらの性格上の欠点を全て取り除いてもらう心の準備が完全にできた。
メンバーは深く根強い性格で経験した防御のために、自分の考え方を変えることには気がすすまない。ここでは、心を開いて新しい考え方が生まれることを信じることでメンバーは勇気づけられる。
<ステップ7>
自分の短所を変えてください、と謙虚に神に求めた。
ここでは、メンバーが自分の性格上の欠点を取り除くことに対しても無力であることを認めることとなる。謙虚さは単に控えめであるということではなく、自分自身の誤った誇りを捨てることである。メンバーは正直に、率直にすべての短所を認め、ハイヤーパワーの助けを求めることによって性格を変えていくことが出来る。
<ステップ8>
われわれが傷つけたすべての人の表を作り、そのすべての人たちに埋め合わせをする気持ちになった。
ここでは、薬物依存者が多くの人々に金銭的な被害を与えただけでなく、感情的、精神的にも大きな打撃を与えたというここと徹底的に認識することになる。
<ステップ9>
その人たち、または他の人びとを傷つけないかぎり、機会あるたびに直接埋め合わせをした。
メンバーは埋め合わせをすることによって、共依存が原因で引き起こしてしまった行為の重荷から解放される。
<ステップ10>
自分の生き方の棚卸しを実行し続け、誤った時には直ちに認めた。
自分の誤った行為を認めていくことで、以前に経験した不安や孤独といった否定的な感情を浄化し、物事が正しく見え、自尊心を育て、自分に無い物を受け入れ、そして、感情的な健康を取り戻すことができるようになる。
<ステップ11>
自分で理解している神との意識的触れ合いを深めるために、神の意思を知り、それだけを行っていく力を、祈りと黙想によって求めた。
自分にとっての神との触れ合いを続けることによって、メンバーは霊的に成長することが可能になり、生きていく強さをより受け入れられるようになる。
<ステップ12>
これらのステップを経た結果、霊的に目覚め、この話を共物依存症者に伝え、また自分のあらゆることに、この原理を実践するように努力した。
ここでは、メンバーが生活の中でこれらの原理を実践することで、共依存を止め、自尊心を高め霊的に成長することが可能であるということを、他の共依存症者に伝えることになる。